赤字が引き継がれる

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確定申告書には
青色と白色の2種類があり
帳簿の備え付けの必要性を
説明してまいりました。

控除金額も
65万円と10万円の2種類があり
その金額の差は
帳簿のつけ方の違いであることも
説明をしてまいりました。

せっかくなので、
青色申告をした場合の
控除金額以外の特典を
見ていきましょう。

赤字が引き継がれます

商売は黒字ばかりではありません。

設備投資をしたり
支店を増やしたり
災害や盗難にあったりすると
赤字になることもあります。

所得税の計算は
暦年単位
1月1日~12月31日
この1年間が対象です。

白色申告の場合は
災害等を理由とする損失を除き
1年ずつ、
別々に計算します。

青色申告の場合は
総収入金額-必要経費=所得金額
がマイナスになったとき
翌年の所得金額から
差し引くことができます。

所得金額がマイナスのことを
純損失といい
この純損失は
翌年以後3年間
引き継ぐことができます。

0-20

 

意味わかんない。

そうですよね。

今から例題を入れて
説明していきます。

純損失は翌年以後3年、引継ぎ可能

以前から青色で
確定申告書を提出しています。

平成27年分の事業所得金額が
マイナス300万円だったとします。

平成28年分の事業所得金額が
プラス100万円だったとします。

では平成28年分の所得金額は
100万円に対して課税されるのでしょうか?

いえいえ、
赤字が引き継がれますので
100万円-300万円=-200万円

まだマイナス200万円なので
平成28年分の所得金額はゼロ。

そして、
平成29年分の事業所得が
プラスの150万円。

平成29年分の所得金額は
150万円に対してではなく
上の計算で繰り越してきた
純損失200万円があります。
150万円-200万円=-50万円

まだ、マイナスなので
平成29年分の所得金額もゼロ。

平成30年分の事業所得が
マイナス10万円だったとします。

平成30年分の所得金額はゼロ。

平成31年分の事業所得が
プラス500万円。

平成31年分の所得金額は
500万円-10万円=490万円

ん?

マイナス50万円は?

残念ながら平成27年分の純損失は
平成28年、29年、30年の間に
引ききれなかったら
打ち切りになります。

もちろん、
赤字の場合、
確定申告書を提出する義務は
ありません。

だからといって
提出しなかったら
今説明したような
赤字の引継ぎがされないので
場合によっては
損をすることになります。

 

 

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