不足した所得税の徴収
年末調整準備号第3回!!
前回のおさらい。
お給料から天引きされた所得税
つまり源泉所得税は
帳簿上は預かり金。
しかも、
この預かり金の計算方法は
概算金額なので
年に1回、
正確な税額計算をする必要があります。
この正確な税額計算をし
預かった所得税の過不足を調整することを
年末調整といいました。
たくさん預かった場合は
その年の最後に支払われる給料
つまり12月のお給料で返金し
少なかった場合は
反対に徴収します。
この徴収しなければならない場合
このことについて
今回は詳しく説明します。
悲劇!!不足した所得税が大きすぎる・・・
この人は預かった所得税が少なかったから
今年最後の給料から天引きね
そういってお給料から引いてみると
12月分の支給額が0円
なんてこともあり得るのです。
まさか従業員に
12月のお給料
年末調整のせいで0円ねって
言えますか?
言えませんよね。
どうすれば良いのでしょうか?
え?
そんなことは考えられない?
これは極端な例かもわかりませんが
あり得るから怖いのです。
もちろん救済方法はあります。
ちょっとややこしいので
ゆっくり読んで下さいね。
来年の給与から徴収しよう!?
誰もが考える
一括で無理なら
分割で徴収する方法。
でも
平成28年分の税金を
平成29年で徴収できるのかな?
ちょっと不安になりますよね。
しかし、
この方法をとらないと
会社としては
個人の税金である所得税を
従業員に代わって支払うという
おかしなことになってしまいます。
だから
最寄の税務署に申請をして
翌年のお給料から
不足分を徴収できるようにします。
その申請の書類が
年末調整による不足額徴収繰延承認申請書
といいます。
どんな場合に
この申請が必要になるのかと言いますと
平成28年1月~平成28年11月までの
税引き手取り金額の給与の平均月額の
70パーセント未満の従業員に対して
この申請をします。
間違わないでくださいね。
所得税を引いた金額と
70パーセント未満、
70パーセントぴったりは
含まれません。
申請書の提出期限
1年間の給与総額は
ボーナスも含めて
12月分の給与計算が終わらないと
確定しませんよね。
税務署だって百も承知!
平成28年12月の
給与または賞与の
いずれか支給日の遅いほうの
支給日の前日までに
会社を管轄する税務署に
年末調整による不足額徴収繰延承認申請書
を提出して承認をもらいます。
難しく考える必要はありません。
単に
申請書を税務署に提出するだけです。
申請書、書くの難しいのかな?
申請書って聞くと
難しい!!
と感じてしまいますよね。
でも大丈夫です。
毎月給与計算をするときに作成する
源泉徴収簿の金額を書き写して
不足した所得税を
平成29年の1月と2月に分けて徴収するため
割り算をします。
計算はそれくらいなので
難しくないですよ。
申請書も
国税庁のホームページから
ダウンロードできますし
不安な場合は
最寄の税務署の窓口で
用紙をもらってきてください。
申請書を提出して
税務署の承認を受けたら
平成29年の1月と2月の給与から
不足分の所得税を徴収します。
申請書は関係ない?
申請書が必要な場合って
どんな場合かわかりますか?
扶養していた子供が就職をして
またはアルバイトをして
一定の所得がある場合
めちゃくちゃ儲かって
冬のボーナスを
思いっきり弾んだ場合
こうやって考えると
わりと必要な申請だと思いませんか?
できれば後者の理由で
この申請をしたいですよね。
次回は
どんな人が年末調整が必要なのかを
説明します。