源泉徴収って何?(その1)
源泉徴収って知っていますか?
「コトバぐらいは聞いたことあるよ」
「アルバイト代やパート代、給料から引かれるあれのこと?」
そうなんですが、本当は一体何なんでしょうか、説明できますか?
税務署や税理士に聞くのも一つの手段ですが、
経理・総務の人、
もちろん、経営者も知っておくべき「源泉徴収」を出来るだけわかりやすくご説明いたします。
そもそも税金(所得税)は、
自分で申告して自分で納める「申告納税方式」という方法を採用しています。
なので、収入があると、
皆さんは税務署に行って、
これだけ1年間の収入がありましたのでこれだけの税金を納めますという
「確定申告」をすることになります。
正月の華やかなCMが終わると、
納税協会や国税庁が「確定申告」のCMを流しますので、
コトバぐらいは聞いていると思います。
そうです。確定申告は時期が決まっています。
2016年は2月16日~3月15日までに、
2015年1月1日~12月31日までの収入と必要経費を計算して、
申告書を作成し、
税務署に提出しなければなりません。
この確定申告書を収入がある国民全員が提出すると一体どうなるでしょうか。
たぶん最初は税金を納める人も少なく、税金計算も簡単だったのだと思います。
それがいつの間にか複雑になり、税金を納める人も多くなり、収入がある人全員が申告書を書いて「ヨ~イ、ドン!」で税務署に持って来られると、とてもじゃないけど、申告書のチェックはなかなか終わらないと思います。
しかも、一度に一気に税金が国に納められることになり、安定しません。
「それでも良いじゃん!」と思うのですが、税金による収入が安定し、確定しないと、国が困ることになるのです。
つまり、国の財源がわからないことには、
私達へのサービス、
例えば道路工事、とりわけ新しい橋の架け替え工事だったり、
道路に穴が開いたり凸凹していたら危ないので、舗装工事をしたり、
大雨対策として地下に雨水をためる工事をしたり・・・
といった公共工事や、
町内会での活動に必要なお金を支援してもらったり・・・、
難しい言葉で「行政サービス」と言いますが、
こういったサービスがリアルタイムに受けられなくなります。
それでは困るので、どうしたら良いのか考えました。
給料とか報酬を支払う人に、支払いをする際、
簡単な計算で税金(所得税)を差し引いてもらって、
その税金を定期的に国に納めてもらおう!
これが「源泉徴収制度」です。
そして、税金(所得税)を計算し、定期的に税金を納める人のことを「源泉徴収義務者」といいます。
これに似た制度が、住民税や社会保険料にもありますが、こちらは「特別徴収」というコトバを使います。
これは後日、ご説明いたします。
次回は、源泉徴収の流れを詳しく見ていきましょう。