報酬・料金等の源泉徴収事務

Pocket

国税庁のパンフレットに報酬・料金等について、

所得税を預からなければならない場合の一覧表をご紹介いたします。

envelop_paper

下のリンクをクリックしてください。

一覧表の前の説明文が、結構重要なのですが、

具体例とあわせて説明をしていきます。

我々士業に最も関係が深い204条第1項第2号から見ていきましょう。

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/aramashi2014/pdf/07.pdf

 

弁護士・外国法事務弁護士・公認会計士・税理士・計理士・会計士補・社会保険労務士又は弁理士の業務に関する報酬・料金

ここに上がっている士業さんたちの請求書に書かれた金額、

もちろん消費税を含めた金額に10.21%をかけた金額を預かります。

請求書には、報酬をもらうために何のお仕事をしたのか書かれています。

例えば、弁護料とか監査料、記帳代行料など、

具体的に書かれていますが、

この内容に関係なく、

所得税を預かります。

soroban

1回に請求された金額が100万円を超える場合は、

その超える金額につきましては、20.42%をかけます。

(注意しなければならないのは、請求されて金額の中に、

国・地方公共団体に対する申請をするときに、

法定費用と呼ばれる手数料や登録免許税がある場合は、

その金額を除いて計算をします。)

つまり、弁護料150万円に消費税12万円を加算した162万円の請求書が送られてきたとします。

この場合の預かる金額は

100万円×10.21%+(162万円-100万円)×20.42%=22万8,704円

ただし、ここに上がった資格を持っている人が、

会社の従業員として働いている場合、

この場合は給料扱いされることもあります。

例えば、税理士の資格を持った経理課の社員がいるような場合、

税理士としてのハンコを押して申告書を作成している場合は税理士としての報酬。

そうではなくて、

一般の社員と同じように伝票を記入したり決算書を作成しているときは、

給料として扱います。

このように細かい区分けもありますので、

business_ojigi_woman

わからない場合はお近くの税務署に聞いてみてください。

もちろん、顧問税理士さんにもたずねてみてください。

中小企業診断士又は経営士、経営コンサルタント、労務コンサルタント等と称される企業の求めに応じてその企業の状況について調査及び診断を行い、又は企業経営の改善及び向上のための指導を行う人の業務に関する報酬・料金

弁護士等の説明と同じように、

お仕事の内容にかかわらず、

請求書の金額(消費税の金額を含む)に10.21%、場合によっては20.42%をかけた金額を預かります。

弁護士等と分けた理由ですが、

経営コンサルタントといわれる人たちが、

会社に従業員として雇われているとは考えにくいので、

弁護士等の説明のただし書きは、関係がないからです。

司法書士・土地家屋調査士・海事代理士の業務に関する報酬・料金

弁護士等の説明と同じように、

お仕事のないようにかかわらず、

所得税を預かるわけですが、

司法書士や土地家屋調査士は、

登記が主なお仕事になりますので、

請求代金に登録免許税が含まれていることが多いので、注意しましょう。

預かる金額の計算ですが

(報酬・料金の金額-1回の支払い金額につき1万円)×10.21%

具体的には会社の不動産登記を司法書士に頼んだとします。

請求書が2枚あり、1枚目には報酬27,000円(消費税を含む)、

登録免許税85,000円の合計112,000円、

2枚目には報酬27,000円(消費税を含む)、登録免許税50,000円合計77,000円だったとします。

計算すると

bunbougu_dentaku

(27,000+27,000-10,000×2)×10,21パーセント=3,471.4→3,471円

となります。

この他、

所得税法204条第1項第2号には、

測量士・測量士補、建築士、不動産鑑定士、技術士・技術士補、火災鑑定人

又は自動車等損害鑑定人の業務に関する報酬・料金に関して規定されていますが、

「行政書士」という資格が登場していません。

つまり、「行政書士」に対する報酬・料金については、

源泉徴収する必要がないということです。

 

ところで、

ここに登場する士業は、

何も会社だけがお仕事を依頼するだけでなく、

個人的にお願いすることも多いと思います。

例えば、司法書士や土地家屋調査士は、

自宅を購入した場合には個人として不動産登記をお願いすることがあります。

弁護士も、交通事故にあったり離婚をするときに裁判をする必要があった場合、

個人的にお願いすることがあります。

このような場合にも、

所得税を預かって、

預かった所得税を個人が国に納付しなければならないのでしょうか?

pose_shock_woman

「そんなの、聞いたことがない!!」

と思わず叫ばれたと思いますが、

その通りです。

個人的なお付き合いは、源泉徴収は関係ありません。

源泉徴収をする人は、

ちゃんと決まっていて、

難しい言葉で「源泉徴収義務者」といいますが、

この源泉徴収義務者にあてはまるのかどうかによって、

このややこしい手続きをすることになります。

つまり、個人は「源泉徴収義務者」にあてはまらないので、

関係ないということです。

「源泉徴収義務者」の説明をすると混乱しますので、

簡単に会社・企業が所得税を預からないといけないと、思ってください。

 

必殺!会計記帳大辞典 お問い合わせはこちら